「芥川・ひとと魚にやさしい川づくり」ネットワーク
(愛称 芥川倶楽部)趣意書


 高槻市を北から南に縦断する芥川は、ポンポン山北面及び樫田の里山から水を集め、 田園地域を通り、丘陵地から沖積平野部に広がる新旧の市街地を抜け、約24kmを下って淀川に注いでいます。 途中には摂津峡で知られる自然のV字渓谷があり、市街地にも近く、自然環境を残す貴重な場所として親しまれています。
 芥川周辺にはかつて亀岡から淀川に物資を運んだといわれる南北に走る明智街道が、東西には西国街道が通り、 高槻は古い村々を中心に発展してきました。 そこには四季折々の豊かな自然環境があり、寒天づくりや酒づくりなど伝統産業を残しながら田園都市として発展してきました。

 昭和30年代に入り近代工場等の誘致により、現在のJR沿線に工場が出来、かつ大阪京都の中間に位置するという立地条件のよさから急速にベッドタウン化し、 昭和40年代には人口が急激に増加しました。このころから芥川の中下流部の水質悪化が目立つようになりました。 山間部の開発による森林緑地の裸地化は芥川への土砂流出の遠因となり、沢山あった淵はほとんど埋まってしまいました。

 その後、進められた排水規制や下水道整備、都市農業における低毒性農薬への切り替えなどに伴い芥川の水質が改善し、 上流に押しやられていたホタル前線が中流域に戻ってきました。  また、主として洪水対策として進められてきた河川改修により、芥川に近寄り難い構造も一部にはありましたが、 自然再生が叫ばれる中、親水空間も随所に整備され、再び人々が水辺に憩いを求めるようになってきました。 加えて、淀川においても大阪湾から遡上する天然アユが数万匹観測され、芥川の最下流の落差工においてここ2年続きで遡上アユが確認されています。 このような自然回復の兆しをより確実にするため、芥川の豊かな生態系を取り戻し、それを次代に引き継いでいくことが今こそ必要なことだと考えます。

 大阪湾〜淀川〜芥川を遡上する天然アユをシンボルとして、現在の芥川がさらに地域の人々に親しまれる川になると共に、 魚や野鳥たちをはじめとする多様な生き物が自然なかたちで棲むことが出来るようサポートしたいと考えています。 具体的には現在よりも豊かな生態系の回復を目指して、芥川の自然、歴史を守り育て、市民と芥川に触れ合う機会を作り、 生き物との触合いを通じて、市民の心の豊かさを回復する。 そんな芥川を目指し、多くの人々とネットワークを構築していけたらと願っております。


呼びかけ人   兵庫県立大学教授     中瀬  勲 
    水生生物保全研究会     紀平  肇 
大阪工業大学教授     綾  史郎
    (社)高槻観光協会     岡山 雅彦
大阪市水道記念館     横山 達也
    高槻シティマラソン常任委員     中川 修一
    nature works      小村 一也
    川いい会     石山 郁慧
    たかつき環境市民会議
      大 阪 府
    高 槻 市


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